前回の記事の続いて、ブラック企業の話。
目次
想像力の欠如した上司
村山由佳さんは、BuzzFeedのインタビューで以下のように語っていらっしゃいます。
「人にとって一番大事なものって、想像力だと思っています。それを持たない人が、絶対に誰かを傷つける。それこそ、ブラック企業の経営者には、人としての想像力がないのでしょう」
ああ、そうか、と腑に落ちたコメントです。
うつ病寸前のときの上司
前回の記事のプロジェクト、私に説教したのは直接の上司ではありませんが、役職でいえば上にあたる方です。
あの方は、説教することで私を「正しい道に導いてやった」と今でも思っています。
実は、この話には少し後日談があり、余りに繰り返されるその方の説教が第三者の目に止まり、「パワハラではないか」と一部上層部で問題となりました。問題が発覚してから、結論として説教がぱったりと無くなったことから、本人にパワハラの自覚が全くなかったということを理解しました。自覚がなかったから繰り返してた。その問題自体は、なりふり構わないその方の所業により、私が窮地に陥る問題へすり替えられるという事態となったのですが、入社以来お世話になっていた方に先手を打って助けていただき、事なきを得ました。
その方は、「時短勤務中の女性を18時から23時までフロアで説教をする」という行為が、言っていることが正しくて理不尽で無かったとしても、私に、そして周りにどういう影響を与えるのかという想像力が圧倒的に欠如していたのだろうなと思います。
最近お世話になった上司
こちらは、最近までお世話になっていた上司。
非常に優秀な方で学ぶことの多い上司でしたが、上司としての想像力は欠如されていたと思います。
「前の部下がこんな素晴らしい資料を作ってきた。(チラッと見せるだけで展開してくれる訳ではない)」
「以前世話をしたあなたと同じ年代の女性部下は管理職となり組織を動かす話をしていた、あなたとはレベルが違う。」
普段の雑談ですが、正直、「はぁ。」と答えるしかできない内容を頻繁に投げかけてくる。未だにこの会話の適切な回答が判らない・・・(誰か教えて・・)
指導も感情的に怒ることが多く、非常に胃の痛い毎日を過ごしました。
しかし、この時に前回のうつ病のようにならなかったのは、その上司の言っていることが理不尽で無く、胃が少々痛くても得るものが大きいと感じていたからだと思います。
新しい働き方とは?
想像力が足りない。
確かに出会った上司は、皆さんそうだったと思います。
村山由佳さんは、BuzzFeedのインタビューで以下のようにも語っていらっしゃいます。
「強いものと弱いもの、どちら側に立つ想像力が大切なのか。一番弱い人のそばにいられる想像力が、一番大事。ようはそれって、優しさなんですよ」
この言葉は、非常に捉え方が難しい。
例えば長年仕事をしていると「向いていないなぁ」と思う人もいます。企業は、営利団体ですので弱い人の側に立ってばかりいると遺失利益が発生する恐れがあります。
しかし、村山由佳さんがおっしゃられている本意は、企業と個人の両方の利益をともに最大化しながら、それでも弱い人に寄り添う考え方ができる人を指しているのだと思います。
旧態依然とした企業で働く私は、私の後に入社した女性たちのために、私が出会った想像力の欠如する上司達を反面教師にしながら、新しい働き方の答えを導き出す想像力を磨くという課題を与えられたと勝手に思っています。