村山由佳さんの「風は西から」を読了、直後は、精神的にかなりダメージを受けました。
目次
過労死が生まれる環境
村山由佳さんの新作を読んで過労死について考えさせられました。
風は西から
風は西からは、過労死で失った恋人のため大企業相手に訴訟を起こす女性の物語です。最終ページの参考文献リストを見れば「和民過労死訴訟」がモデルになっている事が分かります。
村山由香さんらしいさらっとした書き方で、しかし、内容は非常に重くグイグイ引き込まれあっという間に読み終わってしまいます。
前半の甘い2人のラブストーリーから後半の訴訟まで、生々しく描かれていて胸が苦しくなります。
読んでしばらくは、夫との会話の端々に影響が出るほど心に残りました。
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仕事に行きたくないな、と思ったことがある方には、是非読んでいただきたいと思います。
風は西からを読んで胸が苦しくなったのは、自身の経験を思い出したという経緯もあります。
自身のうつ病経験を回想
私は、本当に病気で苦しんでいる方からすると「その程度」と言われるかも知れず申し訳ないのですが、今思えば病発症寸前であったと思う時期があります。
育休復帰後の頭も体もフル回転していない時期にマネージャーとして任された小さなプロジェクト。
プロジェクト自体は、お客様との関係も良好、会社としても利益を上げ、無事に終了。結果から言えば、引き継いだ担当が良好にお付き合いを続けていることからも、私に至らない点があったとしても叱責されるような落ち度はなかった、胸を張って言えるプロジェクトだと思っています。
ところが、プロジェクトの遂行中は、上司で無い方から理不尽な理由で叱責され、時短勤務中に説教のために23時まで残業させられ、終電で帰る日々が続いてました。
落ち着いて考えれば、然るべきルートで改善を要求すれば良かっただけの話です。
しかし、当時の私は、たったそれだけのことが出来なかった。
何を言っても理不尽としか言いようのない説教が続く日々。仕事を進めたいのに説教に時間を取られ進まない日々。
朝、布団から起き上がるのが困難になり、重い体を引きずりながら出社し、何とか部下に指示を出しプロジェクトを進めて帰宅する。
当時を思い返してもあの頃の自分はおかしかったなと思います。
なぜ冷静に判断できなかったか?
当時のことを冷静に整理すると下記の点で判断が狂ったと考えています。
1.自分に不足した自信
私は、自己評価の低い人間です。これは、これまでの環境で醸成されたもので、ある程度仕方ないこと、ずっと付き合っていく性質だと思っています。(この件はまたゆっくり語れると良いかなと思っています)とは言え、仕事は常に真摯に向き合ってきましたし、それなりの成果をあげてきた自負もあります。
しかし、産休、育休後の仕事は、それでなくても自己評価が低い私の脳の回転が低下している自覚もあり・・・説教をする人のニーズに答えられないことが自らの落ち度なのか、理不尽な言いがかりなのか、判断がつかない状況になりました。要は、「それは理不尽です」と適正なルートに訴えるだけの自信が欠如していました。
2.「女性だから」という環境
当時、理不尽な環境にあった人員は複数いましたが、女性に対して特に厳しい当たりがありました。これは、周りの方からも指摘されていたので間違いありません。
しかし、当時の周りの方は、「女性に対して当たりが強い」のではなく「女性が上手にあしらえないから当たりが強くなる」と見ていました。当時、私と同じレベルの女性は、皆さん同じような見られ方をしていました。
女性だから上手くやれない、あしらえない。
今般のセクハラ問題と同様ですが、やられる方に原因があると思われることが多い職場環境であったということも要因であると思います。
これからの仕事環境を見直す
今の会社は、古き良き時代の日本企業の環境を色濃く残しています。男尊女卑の考えを持った人も多く知っています。
当時、私の知人は、時短勤務中なのに毎日残業する私を見て「ブラック企業だね」と言っていました。
私は、新卒から今の会社にお世話になっているので、正直ブラックなのかの判断もつかず、今の会社の考えに染まってしまっている部分がないと言い切れません。
これからの働き方、職場環境について考え直したいと思っている今日この頃です。